症状から3つの病気の疑いがあります。

咽頭炎・扁桃炎

プール熱

溶連菌感染症

咽頭炎・扁桃炎

のどの奥を咽頭(いんとう)、のどの両サイドにあるリンパ腺が扁桃(へんとう)で、これらに炎症がおこる病気です。

扁桃は細菌やウィルスの侵入を防ぐ役割をしていますが、体力の低下やかぜが原因となり、炎症が起こります。溶連菌などの細菌が原因の場合は、発疹をともなうことも多く、重症化しやすく、合併症の危険もあります。

咽頭炎は、発熱や軽い咳などの風邪症状が多く、扁桃炎は高熱とのどの強い痛みをともないます。

痛みが強いときは食欲が落ちますが、ミルクやアイスクリーム、ジュースなど飲み込みやすく、お子さまが欲しがるものをとらせてあげましょう。

咳や鼻水などの症状がないのに熱が高く、不機嫌で、水分をとるのをいやがるときは、細菌性の咽頭炎、扁桃炎かもしれません。早めの受診をおすすめします。

プール熱

初夏から秋口にかけて多い夏かぜの一種です。プールの水が感染源になることが多いので「プール熱」と呼ばれますが、正式には咽頭結膜炎(いんとうけつまくえん)といいます。

アデノウィルスというウィルスが原因で、感染しているお子さまから他のお子さまへうつります。

のど(咽頭)がはれて痛み、まぶたの裏側などが充血して結膜炎の状態となります。高熱が出ることもあります。

もし感染してしまった場合は、感染力が強いので、タオルなどの洗濯を別にし、手洗いを励行して家族にうつらないよう注意しましょう。

幼稚園や小学校などに通う年代のお子さまに多くみられる病気ですが、赤ちゃんにもうつります。赤ちゃんの場合は下痢や嘔吐(おうと)などの症状のみで、結膜炎が出ないこともあります。

溶連菌感染症

溶連菌がのどに感染しておこる病気の総称です。赤ちゃんよりも、幼児や学童に多く、集団感染もみられます。

A群β溶血性連鎖球菌(略して溶連菌)が感染しておこります。

発熱があり、のどが赤くはれ、強い痛みをともないます。舌は赤くプツプツしたいちご状に変化し、扁桃(へんとう: のどの奥)に膿(うみ)が出ることもあります。また、発熱やのどの痛みから1〜2日程度で首や胸、おなかなどにも赤い発疹がひろがることもあります。

しっかりと水分を補給して、のどを通りやすい食事をさせるのが基本です。症状が治まっても、細菌が体の中に残っている場合があるので、処方された薬は最後まで指示通りに飲ませて下さい。

熱が出た後に、急性腎炎(きゅうせいじんえん)やリウマチ熱など別の病気をおこすことがあるので、しばらくは体調に気をつけましょう。