症状から2つの病気の疑いがあります。

熱中症(日射病・熱中症)

髄膜炎・脳炎

熱中症(日射病・熱射病)

野外で直射日光にあたっておこる日射病、蒸し暑い場所に長時間いたことでおこるのが熱射病です。これらを合わせて熱中症と呼びます。

身体に熱がたまり、体温のコントロールができなくなって体温が上昇することが原因です。

汗をたくさんかいている、顔が赤い、体温が高いといった症状が出ます。ぐったりしている、おしっこの量が少ない、くちびるが乾いているときなどは、脱水症状をおこしている可能性があります。ぐったりして水を飲めない、意識がない、けいれんをおこしたなどの場合には、一刻も早く医療機関を受診しましょう。

まず、日陰やクーラーのきいた涼しい場所に連れていき、衣服をゆるめて頭を高くして寝かせます。頭やわきの下などに冷たいタオルをあてて、少しずつ水をとらせます。

真夏はアスファルトの照り返しにも注意しましょう。ベビーカーは地表から近いので、温度が高いことを考慮してください。また、窓を閉め切った車内もすぐ温度が上がります。眠っているからと短時間でもお子さまをひとりで車の中に残しておくのは大変危険です。

髄膜炎・脳炎

かぜやはしか、中耳炎などの合併症としておこることがあります。早期治療が必要となるので、一刻も早く医療機関を受診しましょう。

細菌やウィルスなどが脳の表面をおおっている髄膜(ずいまく)に炎症をおこすと髄膜炎(ずいまくえん)、脳そのものに炎症をおこすと脳炎です。

高熱や嘔吐(おうと)、頭痛などがあり、食欲がなく、けいれんや意識障害が出ることもあります。脊椎(せきつい)から髄液(ずいえき)をとって検査を行い、診断します。

早期発見がその後の経過に重要となります。中耳炎、風邪、おたふく風邪、はしか、風疹、中耳炎などにかかったあとで、高熱、嘔吐(おうと)、意識障害などの症状がみられたら、すみやかに医療機関を受診しましょう。

小さいお子さまは特に頭痛を訴えることができません。髄膜炎では、首筋や背中がかたい、首を触ったときやおむつを変えるときに激しく泣く、光をまぶしがるなどの症状があらわれるので、お子さまの様子をよく観察しましょう。