妊娠初期に行われる検査  定期健診で行われる検査  必要に応じて行われる検査

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妊娠初期に行われる検査

血液検査 分娩の時に出血が多い場合、輸血をしなければならなくなった時のためなど、おらかじめ次の様な内容を調べておきます。(ABO式・Rh式の血液型、貧血の有無、B型肝炎ウィルス抗原、風疹)

血液の梅毒血清反応 梅毒は母体に有害なだけでなく、流産・早産の原因になったり、先天性梅毒児を産むおそれもあります。妊娠してからでも早く治療すれば、胎児の影響は未然に防ぐ事ができます。

内診 産道や子宮に異常がないかを調べます。

超音波検査(エコー検査) 初診時か次の検査時に行い、初期の検査では正常妊娠かどうかや、それまでに胎児が順調に育っているか調べます。

定期健診で行われる検査

血圧測定 毎月の検診で行います。妊娠後期に起こりがちな妊娠中毒症の早期発見するためにも重要な検査です。

尿検査 血圧の検査と同じく妊娠中毒症発見の重要な手がかりとなる検査です。妊娠経過中、特に後期は欠かす事ができません。

体重測定 検診のたびに体重を測定し、増加度合を調べます。妊娠後半は、血圧検査、尿検査と同じ様に妊娠中毒症の発見の手がかりとして重要です。

この他子宮底の長さ、胸囲の測定、胎児の大きさ・位置、胎児心音の確認、むくみの有無なども調べます。

必要に応じて行われる検査
胎児超音波検査、胎盤機能検査、心電図、胸部のX腺検査(結核にかかっていて症状が重い場合は、人工妊娠中絶しなければならない場合があります)肝機能検査、骨盤X腺検査など

妊娠7週頃(2ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約2〜3cm

体重は約4g

脳が発達し始め、目や耳、口などもあらわれる

心臓、内臓が出来始めます。

妊娠間もない頃は、妊娠した事にも気付かない事が多いものです。無月経や体温上昇、乳房の発達などは、胎児が安全に育つように、お母さんの身体機能が変化していく過程なのですが、その変化に身体が順応するための一時的な変調がつわりです。この時期は、ついうっかり過度な運動をしがちですが、流産は習慣性になりやすいので充分に注意しましょう。

ワンポイントアドバイス

激しい運動は避けて、風邪やその他の病気にかからない様に注意しましょう。

必要に応じてトキソプラズマ、風疹抗体などの検査を受けましょう。

経過が順調なら、よく歩き、家事は普通にしましょう。

つわりがキツイ時は食べれる時に食べる様にしましょう。その時は水分を充分に取る様にしましょう。

妊娠11週頃(3ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約7〜9cm

体重は約20g

ちょうど大人のにぎりこぶし程の大きさです。

男女の違いもこの頃から徐々にわかってきます。

つわりが続きますが、この月の終わり頃にはだんだんおさまる様です。基礎体温はまだ高温が続き、尿が近くなったり、便秘がちになったりします。この期間に規則正しい生活の習慣をつける事は、以後の育児期間にとつても大切です。

ワンポイントアドバイス

まだ充分に胎盤が完成していないので流産しやすい時期です。毎日の生活に気をつけて、風邪をひかない様に注意しましょう。もし風邪をひいても自分で判断した薬は絶対に飲まず、担当医に相談しましょう。

日課は規則正しく、生活のリズムを崩さない様に、仕事は疲れない程度に時々休憩を入れながらゆったりとした気持ちで生活していきましょう。

もっとも流産の危険度が高い時期なので、激しい運動や旅行などは避けましょう。

妊娠15週頃(4ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約10〜17cm

体重は約120g

皮膚ができて厚みもできてきます。

心臓が動き始め、内臓の形もほとんど完成します。

つわりもややおさまりはじめ、基礎体温も14週頃から下がります。子宮もだいぶ大きくなり、胎盤がようやく完成されます。流産の危険は薄らぎますが、激しい運動は絶対に避けましょう。つわりがおさまるにつれ食欲も戻りますが、栄養のバランスに注意して充分な食事を心がけましょう。

ワンポイントアドバイス

高い所に手を伸ばしたり、重い物を持ったり、下腹部に力がかかる事は絶対にしない様にしましょう。

おりものが増えるので下着はまめに替え、入浴は毎日しまょう。

母子手帳をもらってない人は、この頃にはもらっておく様にしましょう。

母親学級や両親学級が始まる頃です。なるべくすすんで受けましょう。ただし、体調が悪い場合は無理をせずに、先に延ばしましょう。

妊娠19週頃(5ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約20〜28cm

体重は約300g

動きが活発で徐々に胎動を感じ始めます。

体毛(毛髪)が生え、手足の指には爪ができてきます。

妊娠16週から27週の間はいわば安定期、比較的に異常の少ない期間です。もしも旅行などが必要な場合はこの時期を選びますが、担当医と相談の上決めましょう。また歯の悪い人はこの時期に歯科医に妊娠中である事と、出産予定日を伝えた上で治療を済ませると良いでしょう。

ワンポイントアドバイス

異常のない人は担当医の指示に従い、妊婦体操を始めましょう。(マタニティ・スイミング、マタニティビクスもこの頃からです。)

貧血を起こしやすいので鉄分を多く含む食事をとる様心がけましょう。

腹帯やマタニティ・ガードルをつけるならこの月からが良いでしょう。

乳房のマッサージも開始しましょう。ただし、お腹が張ったら直ちに中止して下さい。

胎動を感じるのは初産婦ではもう少し遅い事もあります。

妊娠23週頃(6ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約30cm

体重は約650g

まぶたも開き眉毛やまつ毛も生えてくる頃です。

皮膚が白い胎脂で覆われます。

子宮の大きさが大人の頭ぐらいになり、子宮底がおへその高さに達してきます。子宮が膀胱や腸を圧迫して、尿が近くなったり、便秘がちになったりします。初産の人でも胎動を感じ始め、乳房もどんどん大きくなります。この頃の赤ちゃんは、お母さんが空腹だと同じ様に空腹を感じます。忙しくてもきちんと食事を取る様にしましょう。

ワンポイントアドバイス

たんぱく質、ミネラル、ビタミンは普段より多めにとる様にして、糖分はとり過ぎない様にしましょう。

睡眠は7〜8時間は取る様にしましょう。

痔の予防のため便秘対策をしましょう。

授乳の際にあかちゃんが吸いやすくするため乳房の手入れをきちんとしまょう。

長い時間立っていたりして足がむくんだ時は、足を高くして横になりましょう。

妊娠27週頃(7ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約35cm

体重は約1000g

皮下脂肪が増え、頭と身長のつり合いが取れてきます。

外の光も感じられる様になります。

下腹がかなり大きくなり、胎児の動きもますます活発になってきます。外部から胎児の心音がはっきり聞き取れます。妊娠期間の中でも安全といわれる妊娠中期もこの頃までです。28週に入ると動きも取りにくくなり、毎日を慎重に過ごすよう心がける必要があります。出産準備品などの買い物や、しておかなければならない仕事もこの月に済ませましょう。

ワンポイントアドバイス

安全な時期といっても決して無理をしない様にしましょう。

頭痛、むくみや高血圧などの症状が起こった場合は担当医に相談しましょう。

早産に注意しましょう。

塩分、カロリーのとり過ぎに注意し、貧血防止のため鉄分を補給しましょう。

休息を日課に入れて、体を締め付けない服を着るなどリラックスを心がけましょう。

妊娠31週頃(8ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約40cm

体重は約1500g

骨格はほぼ完成し、皮膚はシワやうぶ毛が減ってくる。

音の区別がつき始める。

いよいよ妊娠後期に入り、胎児の発育はめざましくなりますが、それに伴い母体での妊娠中毒症も気になります。赤ちゃんの位置は外からもはっきりわかる様になり、その分、大きくなった腹部には妊娠腺があらわれ、むくみも出やすくなります。胃や心臓、肺が子宮におされ、食が進まなくなったり、動悸が激しくなる事もあります。

ワンポイントアドバイス

一日8時間は睡眠をとり、休養と栄養を充分にとりましょう。

おなかが張る様なら座ったり、横になったりして安静にしましょう。(おなかが強く張ったり固くなるのは早産の兆候の恐れ)

この時期以降、長時間の外出は避けましょう。

物を持ち上げる時はひざまずいて体全体で静かに持ち上げる様にしましょう。

そろそろ呼吸法の練習を始めましょう。

妊娠35週頃(9ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約47cm

体重は約2000〜2500g

皮下脂肪がつきはじめ皮膚はつやのあるピンク色になってきます。

表情の変化があらわれはじめます。

胃や心臓が圧迫されるために息苦しくなったり、食事も一度には食べきれなくなったり、また便秘がひどくなったりもします。そんな毎日が続き、イライラしやすい時期ですが、気持ちを落ち着けて、できるだけ気楽に過ごしましょう。お産までに6〜10kg増える体重が極端に増える様なら妊娠中毒症かもしれないので、担当医の診断を受けましょう。

ワンポイントアドバイス

里帰り出産するお母さんはこの月の終わりから、翌月の始めまでに帰郷できる様、乗り物の予約をして、先生から診断書をもらいましょう。

夫や家族の人と連絡がつくように、外出時は必ず母子健康手帳と健康保険証を携帯しましょう。

緊急時の病院の連絡先や、休日・夜間の受付・場所、移動手段がすぐにわかる様にしておきましょう。

妊娠39週頃(10ヶ月)

マタニティ豆知識

身長は約50cm

体重は約3000g

手足もふっくらとして爪は指先より長く、髪の毛も伸びる。

外見上の発育はほぼ完成。

子宮が下がる事で、おなかは前下方へ突き出した感じになります。胃や胸のつかえがなくなり、胎動も少なくなります。この月に入ると、いつお産が始まるかわからないので、準備は完全にしておきましょう。出産にそなえ、休息や睡眠、そして栄養を充分にとるようにしますが、太り過ぎは産道に脂肪が増え、難産のもとなので気をつけましょう。散歩、家事は異常がなければ続けましょう。

ワンポイントアドバイス

入院時に必要なものを確認し、家族にもわかる様に一ヶ所にまとめておきましょう。

膀胱が圧迫される事で尿意が頻繁になりますが、こまめにお手洗いに行きましょう。

流れる様な出血や、おなかが張りっぱなしになったり、めまい、吐き気などの異常な症状があればすぐに病院へ連絡しましょう。