症状から3つの病気の疑いがあります。

気管支喘息

百日咳

異物が入った

気管支喘息

「喘鳴(ぜんめい)をともなう発作性の呼吸困難を繰り返すもの」というのが喘息という病気の定義です。この「喘鳴」というのは、ゼーゼー、ヒューヒューという音で、喘息発作で細くなった気管支を空気が無理に通る時の音です。

気管支が何らかの刺激により収縮し、気管支の粘膜がむくみ、また、痰もたくさん出てくるため、空気の通り道が狭くなるのです。

喘息がおこると急に息苦しくなり、ゼーゼーしますが、この時、子供の背中に耳を当てると喘鳴を聞くことができます。喘鳴が強いときは耳を離していても聞こえます。このような一つひとつの呼吸困難を「発作」と呼び、こういう発作を繰り返しおこすのが喘息なのです。

軽い発作のときには、日常生活も普通にできますが、発作が強くなるにつれて呼吸困難がひどくなり会話も困難になってきます。「喘息」は、一般にアレルギー疾患の一つといわれ、体質と環境の両方が原因です。また、慢性の病気なので薬だけでなく、生活指導も必要です。

最初は喘息のせきを風邪と勘違いしがちですが、喘息のせきはゼーゼー、ヒューヒューととても息苦しいせきをしています。かぜと勘違いしてそのままにしておくと、呼吸困難になる場合があります。早めに医療機関を受診しましょう。

百日咳

激しいせきが長く続き、呼吸困難になったり、肺炎を併発することもあります。

百日咳菌が気管支などに感染しておこります。生後3カ月から受けられる三種混合(百日咳、破傷風、ジフテリア)の予防接種を受けておくと安心です。お母さまが抗体をもっている場合には、お母さまから受けついだ免疫があり、生後6ヵ月頃までのお子さまはかかりにくいと考えられています。ですから、咳がひどい場合は早めに 受診することをお勧めします。

はじめは鼻水やくしゃみ、軽い咳などのかぜのような症状です。そのうち咳がひどくなり、吐いたり呼吸困難になることがあります。

冷たい風や煙、ほこりなども咳の発作のきっかけになります。湿度を保ち、換気をするなど、お子さまがすごしやすい環境を心がけましょう。

他の細菌やウィルスの感染が合併すると、入院しての集中治療などが必要となります。予防接種は早めに受けておきましょう。

異物が入った

熱がないのに急に激しくせきこみ、顔が真っ赤になったりする場合は、のどに何かつまっているかもしれません。

ボタンやペットボトルのキャップ、小さなおもちゃ、ピーナッツなどの食べ物などを、誤ってのどにつまらせていることが考えられます。

急に目を白黒させてむせる、声が出ない、ゴロゴロ、ヒューヒューなどといった音がするなど、おかしいと思った場合は確認してみましょう。口を大きくあけさせてチェックし、指を口の中に入れてとりのぞくか、お子さまの頭を下にした姿勢で背中を強く数回たたきます。取れない場合は、一刻も早く医療機関を受診してください。

小さいお子さまは何でも口に入れて確かめようとします。手の届くところに、お子さまの口に入るサイズのものを置かないように、普段から気をつけましょう。

ピーナッツなどのナッツ類は、気道に入りこむとふやけて大きくなり、外に出にくくなったり、肺炎をおこしたりします。小さいお子さまにナッツ類は禁物です。