症状から4つの病気の疑いがあります。

髄膜炎・脳炎

咽頭炎・扁桃炎

インフルエンザ

中耳炎

髄膜炎・脳炎

かぜやはしか、中耳炎などの合併症としておこることがあります。早期治療が必要となるので、一刻も早く医療機関を受診しましょう。

細菌やウィルスなどが脳の表面をおおっている髄膜(ずいまく)に炎症をおこすと髄膜炎(ずいまくえん)、脳そのものに炎症をおこすと脳炎です。

高熱や嘔吐(おうと)、頭痛などがあり、食欲がなく、けいれんや意識障害が出ることもあります。脊椎(せきつい)から髄液(ずいえき)をとって検査を行い、診断します。

早期発見がその後の経過に重要となります。中耳炎、風邪、おたふく風邪、はしか、風疹、中耳炎などにかかったあとで、高熱、嘔吐(おうと)、意識障害などの症状がみられたら、すみやかに医療機関を受診しましょう。

小さいお子さまは特に頭痛を訴えることができません。髄膜炎では、首筋や背中がかたい、首を触ったときやおむつを変えるときに激しく泣く、光をまぶしがるなどの症状があらわれるので、お子さまの様子をよく観察しましょう。

咽頭炎・扁桃炎

のどの奥を咽頭(いんとう)、のどの両サイドにあるリンパ腺が扁桃(へんとう)で、これらに炎症がおこる病気です。

扁桃は細菌やウィルスの侵入を防ぐ役割をしていますが、体力の低下やかぜが原因となり、炎症が起こります。溶連菌などの細菌が原因の場合は、発疹をともなうことも多く、重症化しやすく、合併症の危険もあります。

咽頭炎は、発熱や軽い咳などの風邪症状が多く、扁桃炎は高熱とのどの強い痛みをともないます。

痛みが強いときは食欲が落ちますが、ミルクやアイスクリーム、ジュースなど飲み込みやすく、お子さまが欲しがるものをとらせてあげましょう。

咳や鼻水などの症状がないのに熱が高く、不機嫌で、水分をとるのをいやがるときは、細菌性の咽頭炎、扁桃炎かもしれません。早めの受診をおすすめします。

インフルエンザ

毎年、A型、B型の2つの株が秋から春先にかけて流行します。A型が先に、続いてB型が流行します。お子さまがインフルエンザになった場合、症状が重くなったり、他の病気を併発する危険もあります。

インフルエンザウィルスによって、人から人へと感染します。年によって、ウィルスの形が変化する特徴をもっています。まず、普通のかぜのような熱・鼻水・咳などがみられますが、高い熱が出たり、頭痛や筋肉の痛み、関節の痛みなど全身の症状が強くなってきます。

安静が第一です。小さいお子さまは、発熱や下痢などのために脱水症状をおこしやすいので、こまめな水分補給を心がけましょう。また、解熱剤と脳症の関係が指摘されているため、解熱剤処方の際は医師に相談してください。

予防接種は100%の予防にはなりませんが、症状が軽くてすむことが多いようです。

中耳炎

ウィルスや菌が中耳まで入りこんでおこる病気です。特に生後6カ月から小学校に入るくらいまでのお子さまに多く、何度も繰り返してかかることがあります。

ウィルスや細菌が耳に入り、「中耳」という部分に炎症をおこし、膿(うみ)などがたまります。

高熱や耳だれ、耳の痛みが主な症状です。赤ちゃんの場合、耳の痛みを伝えられません。機嫌が悪い、耳にさわるといやがる、首を振るなどのしぐさがみられたら要注意です。

鼻水はこまめにとってあげることが大切です。耳を痛がるときは、冷たいタオルなどを耳の後ろに当ててあげると楽になります。

処方された薬は担当医の指示どおり、残さず最後まで飲ませましょう。しっかり治療しておかないと、慢性化することもあります。また、かぜがきっかけとなることが多いので、かぜを長引かせないようにすることも大切です。