症状から3つの病気の疑いがあります。

かぜ症候群

ウィルス性胃腸炎

細菌性胃腸炎

かぜ症候群

お子さまが発熱する原因として代表的な病気で、鼻やのどなどに急性の炎症がおこります。こじらせると肺炎をおこす可能性もあるため、注意が必要です。

ほとんどがウィルスによるものですが、マイコプラズマなどウィルスと細菌の中間の特徴をもつ病原体が原因となる場合もあります。発熱、鼻水、のどの痛み、咳、頭痛などの症状がみられます。嘔吐(おうと)や下痢をともなう場合もあり、季節や体調によって症状の出方はさまざまです。

こまめに水分をとって、安静にさせることが基本です。冬場は部屋の湿度や換気にも注意しましょう。

症状が軽い場合には、安静にさせて注意深く家庭で様子を見守るのも、ひとつの方法です。発熱が続く、呼吸が苦しそう、下痢や嘔吐がひどい、元気がない、ぐったりして顔色が悪いなどの場合は、すみやかに医療機関を受診してください。

ウィルス性胃腸炎

ウィルスによって胃や腸が炎症をおこします。秋から冬にかけて感染することが多いのが特徴です。

原因となるウィルスとして、ロタウィルス、ノロウィルスが代表的です。主に、冬に流行するロタウィルスによる下痢は白色の下痢便が特徴です。

下痢、嘔吐(おうと)、発熱が主な症状です。ロタウィルスは白っぽい下痢便で、その他のウィルスによるときは、黄色っぽい下痢便が多いようです。

嘔吐(おうと)と下痢による脱水症状に気をつけなくてはいけません。脱水症状を防いだり、熱を下げるなど症状を緩和させる治療が行われます。水分をこまめに少しずつ補給させることが大切です。下痢が続くとおしりがかぶれやすいので、毎回シャワーなどで洗ってあげましょう。

感染力が強いため、他の人にうつさないようにします。便や嘔吐(おうと)物、唾液(だえき)などにふれた後は、石けんでよく手洗いをしましょう。

細菌性胃腸炎

いわゆる食中毒で、さまざまな種類の細菌が原因でおこります。調理をする際には清潔を心がけて予防しましょう。

サルモネラ菌、カンピロバクター菌、ビブリオ菌、ブドウ球菌、赤痢菌などが原因でおこります。近年話題になった、病原性大腸菌O157も原因のひとつです。

吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、下痢(ときに血便)、発熱、頭痛などが主な症状となります。症状の種類や程度には差がありますが、食後数時間で症状が出るものもあります。

調理前の手洗い、調理器具の洗浄や消毒、また食品をしっかり加熱することなどで病気を未然に防ぎましょう。また、病気にかかったお子さまのうんちや嘔吐物を処理した手は、よく洗いましょう。

細菌性胃腸炎に症状が似ている病気として腸重積症があります。細菌性の胃腸炎では、うんちや嘔吐物から細菌が発見されますので、医療機関を受診するときにはこれらのものを持っていくと、診断がつきやすいでしょう。