お産の近づいたしるし     お産への順序、入院のタイミング

開口期       娩出期       後産期

お産の近づいたしるし

お産が近くなってくると、次のような兆候があらわれてきます。

★おなかがよく張る・時々痛む

もしかして・・これって陣痛?と、思うようなちょっと痛みをともなった張りがシバシバ出てきます。ところがしばらくすると、止んでしまう。これは前駆陣痛です。本番にそなえたリハーサルのようなものです。出血を伴うこともありますが、少量なら一応、担当医に相談してみて、しばらく様子をみましょう。特に夜多く、気づくと朝になってたり・・長い人でお産まで2週間ぐらい続くことも・・

★ トイレが近くなる(赤ちゃんの頭で膀胱が圧迫されるため)

★ おりものが増える

★ 胃がすっきりして食欲がでてくる(赤ちゃんが骨盤に下りるため胃への圧迫が減るため)

★ 恥骨、もものつけね、腰などが痛くなる)赤ちゃんが下りるため)

★ 赤ちゃんの胎動が少なくなる(頭が骨盤内に固定されるため)

注意:但し、全く感じないのはおかしいです。担当医に相談して下さい。

★ 血性のおりもの)おしるし・・卵膜と子宮入口の間がずれたときに血液と粘液がまじって出てくるもの)。健診時の内診のあとにも2、3日出血がありますが問題ありません。もうしばらく様子をみましょう。

注意:流血や血の塊は異常です。担当医に相談して下さい。

妊婦さんの変化に気付き、毎日、声をかけてあげて下さい。お仕事の場合はいつでも連絡の取れる様にしてあげて下さい。いつでも連絡が取れると言うだけで、妊婦さんは安心するものです。

お産への順序、入院のタイミング

お産は陣痛・破水・出血のいずれかから始まります。

出血(おしるし)

血のまじったおりもの。赤ちゃんを包んでいる卵膜と子宮との間にずれが出来て起こります。

おしるしのあと陣痛がくることもあるし、2〜3日後にくることもある。まだまだゆっくりして、陣痛がくるのを待ちましょう。シャワーや入浴してリラックスするのも良いでしょう。

注意:多量の流れる出血や血の塊が出る時は直ちに受診して下さい。

★陣痛

下腹部の痛みが30分おき15分おきと短くなり10分おき(1時間に6回以上)になったら陣痛です。

最初は生理痛や下痢の時の痛みから徐々に強くなって、締め付けられるような痛みにかわってきます。最初は陣痛って分かるかなと不安でしょうが、絶対に分かります。

経産婦さんの場合、痛み出すと経過が早いので、確実に陣痛と思ったら15分おきでも病院に一度連絡したほうがいいです。

★破水

卵膜が破れて、中から羊水がでてきます。下のほうで破水すると、生ぬるいものがバァーとでてきてわかりやすいです。でも、上の方で破水(高位破水)すると、チョロチョロしかでてこないので、とっても分かりにくいです。分からなければ、パットをあてて横になってみましょう。破水ならそれでもでてきます。破水すると、卵膜の破れたところから、細菌が入って感染することがあります。破水の場合は必ず入院になります。

注意:破水した場合は絶対にお風呂に入らない様にしましょう。

おりものか破水かわからない場合は簡単な検査でわかるので、いつでも担当医に相談してみましょう。破水なら入院。そうでなければ帰宅ですが、恥ずかしがらずにね。

また、破水すると、特に経産婦さんでは陣痛が急についてくることが多いので気をつけましょう。また、子宮口の赤ちゃんの頭が固定するまでは、結構ジャバジャバでます。なくなることはないので心配しなくていいですよ。

陣痛なしき痛みが来たと訴えたなら、そばで時間を計ってあげましょう。病院によって違いますが、だいたい10分間隔になったら、病院に電話をして、陣痛が収まっている間に動かす様にしましょう。

破水した場合は、妊婦を絶対にお風呂などに入れず、即座に病院に電話して、担当医の指示に従いましょう。

分娩のすすめ方(開口期)

陣痛開始から子宮口が最大に拡大されるまでを開口期といい、初産婦で平均10〜12時間、経産婦で5〜6時間たつと子宮口が開きます。

《痛みと痛みの間が6から10分》

多少痛いけど、まだまだ余裕の時期です。生理痛や下痢痛みたいな感じがします。子宮口もゆっくりゆっくり開きます。初産婦さんならあと10時間ぐらい。経産婦さんは半分ぐらいです。但し、破水した経産婦さんは早いですよ。

《痛みと痛みの間が4〜5分》

痛みの時も普通の呼吸が出来るなら普通にして、ちょっとダメな時は痛みにあわせてフーと息をはきましょう。

痛くなったらまず、深呼吸。呼吸は基本的には(フーフー)でいきましょう。本では、(フッフッフー)や(ヒッヒッフー)とでていますが、これはやりやすい呼吸を選んでください。必ず痛みが終わったら、深呼吸してリラックスし赤ちゃんにおいしい酸素をとりいれてあげましょう。これは、生まれるまで大事なことです。赤ちゃんも陣痛の時は締め付けられ苦しんでいます。

腰をさすってもらったり、お腹だけ痛い人は自分でお腹をさすりましょう。

トイレには必ず我慢せずいきましょう。膀胱に尿をためたままにしておくと、赤ちゃんがさがってこれなくなります。痛みのないときにがんばっていこうね。

・楽な姿勢は人によってちがいます。工夫してみましょう。四つんばいや、横向きに寝るなどいろいろあります。

《痛みと痛みの間が2〜4分》

とってもつらい時です。でも、痛みが強い分早く子宮口が開いてきます。後、順調に行けば1時間で全開。経産婦だとここからお産まで1時間もかかりません。ここまで来ると、赤ちゃんもある程度下がってきて、今度はいきみたくなってきます。痛みがきた時に、ウンチをしたくなるような感じがでてきます。ただ、ここで子宮口が赤ちゃんの頭が通るくらい開いていない時に、おもいっきりいきむと赤ちゃんの頭が圧迫されて赤ちゃんが苦しむし、子宮口も圧迫されて、むくんだりして開きにくくなるのです。だから、本当に苦しいのは山々なのですが、ここはいきまずに呼吸をしましょう。経産婦さんはこの時期がほとんどないです。いきみが出たら分娩室にいきます。初産婦さんは全開で分娩室にいきます。

妊婦さんが開口期の時は

・一緒にお話したり、一緒に廊下を歩いたりしましょう。

・食べたいものを買ってきてあげたりして下さい。

・呼吸法を開始したなら、一緒にしてみましょう。

・痛みにあわせて痛い箇所をさすってあげましょう。さすり方は助産師に聞くと教えてくれますよ。

・「うん」で力が入っていたら、いきまないよーと声を掛けてあげてください。本当につらい時期です。

・「うん」のところで、本人が嫌がらなければ、お尻の辺りを上の向かって押さえてあげると楽になります。嫌がった場合は助産婦さん言ってあげて下さい。

・泣けてきたら励ましてあげてください。

分娩のすすめ方(娩出期)

赤ちゃんが産まれるまでを娩出期といい、初産で平均2〜3時間かかります。

いよいよ分娩室です。ここでは、いきむ姿勢がポイントとなります。上手にいきめば、経産婦さんでは15分もかかりません。初産婦さんは1時間は覚悟しましょう。とにかく、ここでは、先生や助産師の言っていることに耳をかたむけましょう。

1分おきに1分〜90秒陣痛がやってきます。ただ、我慢せず、いきめるところがまだいいです。最後の力をふりしぼって頑張りましょう。もう直ぐ赤ちゃんにあえますよ。

簡単に呼吸法、いきむ姿勢を説明します。

1・まず痛みが着たら、深呼吸をして1回、2回、3回目に大きく吸って、う〜ん、といきみます。本当にウンチをだすような感じです。苦しくなったら1度吐いて、もう一回大きく吸っていきみましょう。もう痛くなければゆっくり吐いて、大きく深呼吸して息を整えましょう。

2・まず体をよじらず、(痛いけど集中)背中をそらさない。そらすと骨盤がせまくなっちゃいます。

3・手は、その病院によってですが、下のレバーをひっぱるかか上のレバーをおしだすかですがあらかじめどっちか確認しておきましょう。その際しっかり言われたとおりにしましょう。

3・顔はお腹を見ましょう。上体を起こすような気持ちで。また、目を閉じると、顔に力が入り、うまくいきめません(そして、翌日顔にうっ血班が出来て大変)気持ち半分目を開けましょう。

4・お尻を突き出しましょう。その際、外陰部は上にむけるように・・・足台がある人はしっかり、かかとをおしましょう。そうすることでうまく押し出せます。

上記のことを読んだだけではピーんとこないですよね。何度でもいいので、ご主人と練習してみましょう。人の格好を客観的に見るのもいいと思います。でも、力はいれないでネ!

そして、何度もいきんでいるうちに、赤ちゃんが下がってきて、いきむと見え、痛くないと、見えなくなります。これを排臨といいます。この前後くらいに、破水してない人はするでしょう。そしてしばらくすると、赤ちゃんの頭が、挟まったように見える状態、発露です。

ここまでくると、もう少しです。ただ、ここからおしもを切りたくない人はしっかり、助産師の言うことを聞いてね。いきみを逃したり、力をいれたり、おしもの状態を見ながら指導します。

会陰切開するならここでです。(麻酔をする時としない時があります。いずれにしろその時は痛みは感じない、それより陣痛の方が痛い)

そして、いよいよ、赤ちゃんの誕生です。頭→肩→おしりと、つるんと出ます。 直ぐに、泣く子もいますが、大体は、羊水を飲み込んでいるので少し、吸ってあげると、泣き出します。本当に感動、安心の瞬間です。

ここからは病院によって違いますが、できれば、赤ちゃんにおっぱいを少しでも吸ってもらうと、いいですよ。

本当にもう少しです。本人もパニックになることが多いです。ぜひ立ち会って励ましたり、一緒にいきむお手伝いをしましょう。赤ちゃんの誕生は本当になんともいえない感動的なものです。あとで後悔しない選択をして下さい。

ビデオやカメラが可能な病院なら、赤ちゃんの誕生を一早くおさめてあげましょう。

分娩のすすめ方(後産期)

胎児が産まれて少し後に胎盤を娩出。平均10〜15分で終わります。

お疲れ様でした。赤ちゃんが産まれてスッキリした感じでしょうか?

あとは、10ヶ月間ママと赤ちゃんをつないでくれていた胎盤が出ます。早い人では、赤ちゃんが生まれてすぐ。遅い人でも15分以内には出ます。(まれに、うまく出なくて、用手剥離をすることもありますが・・)

ここでは、何も意識してする必要はありません。力を抜いて、赤ちゃんが産まれた事にひたっていましょう。痛みもなく、ぬるっとした感じがして出て、お産が終了です。胎盤は言えばみせてもらえます。ぜひ、見てみてね。

切開した方はここで、局部麻酔をし、縫合します。ちょっと、5〜10分我慢です。

ちなみに会陰切開率は初産婦で90%ぐらい、経産婦だとぐーんと下がります。おしもが切れない人もいれば、直ぐに切れそうな人もいますのでそういった場合や、赤ちゃんが苦しそうで直ぐお産にした方がいい人は切開をいれます。絶対イヤと、いう人はあらかじめ伝えておきましょう。

そして、2時間ぐらいは、突然急変する可能性があるので、出血の状態、外陰部の状態、子宮底(お腹をさわります)、血圧などチエックするので、陣痛室にいることがほとんどです。ただこの間は、面会できると、思いますが病院によって違います。

おめでとうございます。パパは赤ちゃんの処置を見る事になるか、廊下で待つ事になります。赤ちゃんを抱っこ出来るのは、その病院によって違いますが、抱っこさせてくれるまでしばらく待ちましょう。そしてお母さんに「お疲れ様、よく頑張ったネ」と言ってあげましよう。